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2022秋~鉄道北海道一周約2800km最果てを激写する旅~その4

前回からのミッションはこちら!(言いたいだけ)

ymtymmt.hatenablog.com

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網走に着いたので駅からタクシーでオホーツク流氷館へ

 

この時の運転手さんがいい人で色々喋ってたら流氷館は何でもいいからとにかく展望台に上るべきっていうのと能取岬といういい場所があるからよかったら行ってみてほしいという話をされました。

この時点では流氷館の後また網走監獄を見ようと思ってたのでじゃあ行くってなったら連絡します~って感じで降りたんですが…。

 

展示室は地下

 

冷凍室(寒すぎる)の中に流氷があって綺麗でした

てかもう寒くてどうしようもなくすぐに出てしまった…。

 

クリオネもいます

鼻から出した状態の写真も撮れるクリオネスライムみたいなやつ作って売ってほしい。

 

展示はそんなに広くないので、結構すぐ見終わってしまいます。

クリオネ以外にも海の生き物がちょっと展示されてました。

 

展望台へ…


素晴らしい眺め…。

網走監獄や流氷館がある天都山は200mくらいの高さらしいんですが、周辺に高い山がないので抜群の眺望でした。

前回来た時はこんなに素晴らしい景色があるとは全く気付かなかった…。

網走監獄まではバス、山道の途中にあるので海も何も見えないんですよね。

網走湖は列車からでも見えますが、こうして上から見ると全然違う。

知床連山も綺麗に見えてます。

運よく展望台に誰もいない時間が長かったので素晴らしい景色を独り占めできる贅沢なひと時を過ごしました。

風もすごく気持ちよかった。

 

バスの時間まで暇なので中で一休みしました

とんでもなくおいしかった流氷ソフト

塩味が効いてておいしすぎる。

写真撮るのに手間取って溶けかけてきたのが残念ですが、水色のが塩で本当においしい。

また食べたい。

 

お絵描きコーナーにも貼ってきました

黒のペンカッスカスで大変だった…。

てかみんな絵上手すぎるでしょ…。

ちょっと何か描くにも反転変形を繰り返す絵心なしの人間にこの手のパっと何か描くやつはかなりハードルが高い…。

 

ここら辺で展望台からの素晴らしい眺望が忘れられず、運転手さんが熱弁をふるっていた能取岬がどうしても気になってくる…。

網走監獄はこないだ結構時間をかけて見たし今日はいいのでは…?

しかし調べるとタクシー代は大体1万円くらい…。

1万円…。

 

迷いながらとりあえずバスで網走監獄へ

スタンプはスタンプでほしかったからよし。

今回のスタンプは白石が優勝してると思う。心得てるな。

 

そうこうしてる間に今日は能取岬に行くべきと決まったので、電話して迎えにきてもらいました。

 

北海道感があるめちゃくちゃまっすぐな道

 

能取湖

駅からだとこっちのルートじゃないそうで、ラッキーでした。

海と繋がってるから海の魚がいるらしい。

潮干狩りの時期は人でごった返すそうです。

 

波の音がすごい。(途中で停まってくれる)

 

大体20分ちょっとで能取岬に到着!

せっかくなので写真を撮ってもらいました。

ノトロはアイヌ語で岬の意味だそうで、能取岬は岬岬みたいな意味だとか。

 

白黒の灯台と海と空

写真が下手なので1%も素晴らしさが残せず悔しいですがとんでもなく綺麗な場所でした。

色んな映画やCMのロケ地にも使われてるそうです。

 

海が青すぎる…。

 

遊歩道の行き止まりにあった銅像

特に有名な誰かというわけではなく、オホーツクの漁師さんの銅像だそうです。

銅像というのは大抵名のある人がなるものですが、こういうのいいと思います。

この土地で生活し発展させてきた人々を代表する姿ですよね。

歴史としては名も分からぬ人々だからこそ、こうして形にすることはとても意義があるんじゃないでしょうか。

 

反対側の景色も素晴らしいです。

かつての勇網線が走っていたあたりかと思うんですが、何気なく運転手さんに聞いたら

勇網線で通学してたとのこと。

湖畔の風景はとても見事なものだったそうです。

 

タクシー代は1万ちょっとかかりましたが、お願いしてよかった。

普段車乗ってるとこの時間で1万!?と結構な衝撃でしたが、とんでもない価値がある時間でした。

面白い話もたくさん聞けました。

いい人に当たってよかった…。

 

駅に戻ってご飯。駅中の喫茶店です(網走駅には喫茶店がくっついている)

こないだ来た時しまってて入れなかったのでは入れてよかった!

さすがイクラがおいしかった…。

 

味がありすぎる店内。

 

帰りのオホーツクまで結構時間があったのでその辺を散歩してたら川からドボンドボンと変な音がする…

なんと鮭の遡上!!!!

足元の水面を見たらめちゃくちゃ泳いでる!!!大量の鮭!!!

 

力尽きたやつもいます

 

これまで数限りなく鮭を食べてきたけど(外国産がほとんどだけど)生きて泳いでいるところは初めて見た。

こんなに力強く跳ねるのか…。

下校中の高校生がたくさんいましたが誰も鮭なんて気にしてないので、これが日常風景なんでしょう。

すごいところだ…。

眺めてる最中は全く気付かなかったんですが、これ網走監獄に潜入したとこですよね。

鮭獲ってたし…。

今の網走監獄は山の方に移築されたもので、現網走刑務所の場所にあったそうです。

だから刑務所の位置は今も昔も同じなんですが、バスで通りかかってたのに全然気付かなかった。

山の中の方、すごいそれっぽいし…。

 

これも運転手さんから聞いた話ですが、網走刑務所は受刑者から評判がよく、また入るならここがいいと言われるレベルだそうです。

刑期も比較的短く、長くても8年くらいで終わるとか。

なので塀の外へも出る機会が多く、さっきの能取岬の除草作業や野菜の栽培なんかをしているとのことでした。

重罪人が流される寂しい土地のイメージがまだまだ根強いのがなんだかなぁという話もしていた。

確かに…。

 

いい時間なので戻ります

 

今年は何かと記念の年なんですね

 

まもなく引退の183系。また乗れて本当によかった…。

これから札幌まで約5時間半、闇夜の中険しい峠を越え進んでいきます。

響き渡る爆音が頼もしい…。

 

石北トンネルのパネルがありました

 

北海道の鉄道に乗るからには最低限知っておかなきゃ失礼ではないかと思い、2冊ほどタコ部屋労働に関する本を読んでから来たんですが…。

人柱が出た常紋トンネルが有名ですが、北海道の鉄道はどこも似たようなものだったそうです。

狭い部屋に大勢閉じ込めて働かせていた、くらいのイメージでしたが…。

横行するリンチ、弱ればその辺に穴掘って生き埋め、人権無視という言葉ではとても言い表せないような凄惨な現場だったようです。

騙されて半ば誘拐されてきたような人も多くいたそうで、そういう人たちを文字通り潰れるまでコキ使い、(弱った人の上に板を乗せ、その上で何人も飛び跳ねて潰してしまうこともあったとか)死んだらその辺に投げ捨て、北海道の鉄道は完成したと。

何ともすさまじい話です…。

常紋トンネルに限った話ではなく、どこでも線路の側にはそこら中に人が埋まっているはず…。

 

で、戦後GHQによって解散させられるまでタコ部屋労働は続いたと書いてあったので、石北トンネルも例外じゃないと思うんですが…。

パネルではなんかいい話風になっている…。

嘘は書かれてないと思いますが、苦心と困難の二言で済むような話でもないというか…。

なかったことにされてる感じはありますよね。

 

実際タコ部屋労働者には激しい差別があったそうで、働いていた人たちも家族にすら黙って墓場まで持ってくくらいには人に言えないようなことだったとか…。

 

何故そのような差別があったかというと、団結されては困るかららしいんですね。

平たく言うとそういうことらしいです。

団結されてひっくり返されたらコスパが悪い、使い潰せなくなると。

 

ちなみにタコを現場でコキ使っていた棒頭や親方は全く儲からなかったそうです。

タコを一人北海道まで渡すのに実費で30円程度、それが130円で取引されていたとかで、じゃあその100円どこに行ったんだよというと下請け孫請け曾孫請けでどんどん中抜き…なんか異様にタイムリーなんだけど…。

現場に回るのはそもそも僅かな金額なので実際にコキ使ってる人たちは全く儲からない、働いてるタコは言わずもがな…。

では誰が儲かったかというと、大元の大企業(ほとんど国とくっついている)だそうで…。

なんか異様にタイムリーなんだけど…。

 

差別は構造の問題だと言いますが、見事にそれを表しているのがタコ部屋労働だと思います。

普通に暮らしていた人がひょんなことから管理側としてタコ部屋に入り、強い差別意識を持つようになるエピソードなんかも書いてありました。

どんなに心が強い人やよい心を持っている人でも全然普通にやると思います。

構造からは逃れられないので、思いやりや心の問題は本質ではないかなと。

いろいろな側面はありますが、大元はこの辺りな気がしています。

下々の者同士勝手に潰し合えば都合いいよね、みたいな…。

 

そんなタコ部屋労働が北海道、ひいては日本の発展に大きく寄与しているというのは心の片隅に置いておきたいですね…。

仕組み自体は全然残ってて進行形っていうのもゾっとする。

 

そういう経緯があるのに節目の年にいい話風でまとめられてるってのはなんだかあんまりだなぁと思いました。

 

ロールモデルとなった囚人労働がどうせ悪人なんだからコキ使ってよし、というところから始まっていて、囚人労働が廃止されたあともコスパの良い手段として残り、やがてそこら辺の人を誘拐してボコボコにした挙句死んだら道端に捨ててもよしまできてしまうの本当におそろしい…。

人権ないって冗談みたいに言うけど、人権ないとどうなるかってまあそういうことですよね…。

軽々しく言える言葉じゃないなと思います。

 

帰りは真っ暗で景色も見えないので、ずっとそんなことを考えていた。

トンネルでは手を合わせました。

 

古い本で絶版ですが一読の価値はあります。

 

 

そうこうしてる間に札幌に着いたので、ホテルで爆睡。

色々と考えが深まる一日でした。

 

おまけ

 

路傍のホタテ

海を感じる…。

 

続きます。